大中尚一です。
ノウハウやコンテンツを扱う専門家の方のサポートを主にしていますが
そういった士業やコンサルタントなどノウハウ・専門知識を扱う仕事をしている人はほとんどの場合、ある程度までいくと売り上げが頭打ちになります。
それに対処する方法はいくつかあって
そのうちの1つが人を増やすこと。組織として大きくしていく方向ですね。
もちろんこれも一つのあり方ですが、人を増やすことのリスク雇用することのリスクは以前に比べて高まっています。
マネージメントを苦手とするのであれば、自分一人(もしくは少人数)で事業をやっていくのが小回りが効いてビジネスが長く続く可能性が高い。
では1人でやっていくとして、売り上げの頭打ちを打破するにはどうすればいいのか。
多くの場合、ここで単価を上げるという選択肢をとりがちです。
顧客一人頭の単価を上げることで、数を増やさなくても売り上げの総数は上がります。
選択肢としては妥当だなと思います。
ただこれは、あくまで職人としての働き方ですね。
それを否定するわけではなく、一つの有効な選択肢ではあると思いますが、自分が動かなければ売り上げが上がらない・ビジネスが回らないという現実は変わりありません。いわゆる労働集約の働き方ですね。
なのでまたある程度売り上げになったら頭打ちのタイミングが来ます。
その状況を打破するにはどうしたらいいか。
ノウハウやコンテンツを扱う専門家が、頭打ちを打破して事業を広げていくための4ステップを解説します。
請負
スタートはここですね。
基本的には請負で契約をとることからスタートです。
見込み客にヒアリングし、解決したい課題や望みを伺い、その達成のためのプランをたてて提案・受注。
たとえば経営コンサルタントであれば、半年〜1年関わる中で信頼関係を築き、さらなる飛躍をともに目指して契約更新というのが多いパターンですね。
クライアントと二人三脚で進むのでやりがいも感じやすいですし、中小企業向けの経営コンサルタントとしては王道かなと思います。
あと、サイト制作とか、士業さんの提案とかも同じですね。
メリットとしては、個別での提案・受注なので、単価を高めにしやすい。
個別にかゆいところに手が届く対応ができるので、関係性も深まりやすいです。
デメリットは、拡張性がないこと。
請負でやっていると、ノウハウはあってもコンテンツはなく、暗黙知の塊の職人のようになります。
こうなると、再現性をもって人に伝えることが難しくなります。
再現性のないものは、広がりません。
誰かに任せることもできないし、結果の担保もしにくい。
いきおい、自分が1から10までやらないといけない、いわゆる労働集約になります。
職人として極めていくのであれば、それで全然OKです。
実績を積み、ネームバリューをつけて自らをブランド化していくことによって単価を上げ、売上を伸ばしていくことはできます。
かなりの手腕が必要になりますが。
2割ぐらいの人しかできないんじゃないかな。
ただ、ビジネスとして考えて、より拡げたいのであれば、次の段階を考える必要があります。
それが次の、コンテンツを作るというフェーズです。
コンテンツを創る
ノウハウや専門知識を扱う方が事業を拡張できるか、影響力を拡げられるかどうかは、ひとえにこのフェーズにかかっています。
自分が持っているノウハウを、再現性のあるコンテンツにできるかどうか。
ほとんどの人が、コンテンツを持っていません。
ノウハウを持っている人・駆使している人は多いですが、再現性のあるコンテンツにできている人はかなり少数派です。
ノウハウとコンテンツは、明確に違うものです。
違いの一つは、コンテンツには再現性があること。
そのコンテンツがもたらす変化・結果が、だれにでも同じ結果をもたらすものである必要があります。
ノウハウは、商品として売れませんが、コンテンツを商品として売ることができます。
いわゆる高額講座が当たり前のように開催されていますが、連続で開催したり、受講生が成果を出す講座をするためには、再現性を持ったコンテンツがないとできません。
コンテンツを持たないまま形だけ講座を取り入れても、受講生は成果を出せず、結果連続開催もできません。
そういう講座のほうが多いんですけどね。
では、コンテンツを作るにはどうするか。
まず請負で仕事を続けていくと、いろんな共通点が浮かび上がります。
一定の成果が出る期間
顧客のお困りごと
どれくらいの時間・頻度が必要か
などなど、顧客の数・実践の数が増えれば、自ずと浮かび上がってくる共通点。
これらをカリキュラム化し、コンテンツにします。
そうしてコンテンツを作ることで、次のフェーズに移ることができます。
パッケージ化し、拡張
コンテンツを作ったら、それをいろんな形に加工・パッケージ化します。
例えばコンサルタントであれば、請負の顧問契約しかなかったのが
プロジェクト型(期間を決めて一定の解決をするためのもの)のコンサルティング
研修
連続講座
セミナー
オンラインスクール
教材販売
動画販売
出版
なんかがあります。
顧問型のコンサルティングをしている人であれば、短期のプロジェクト型のコンサルティングや研修を受注できれば売上規模が変わりますし、クライアントにさらなる提案もできます。
影響力も格段に広がりますね
整体やセラピストの方なんかであれば、その手技をコンテンツ化すれば、動画配信とかスクール展開とか、いろいろと可能です。
このフェーズに来ると、これまでは
“自分が商品で、自分を売る”
だった状態を
“商品と、それがもたらす結果を売る”
状態に昇華できます。
ポイントは、だれがやっても一定の成果が出るよう設計されていること。
個々にカスタムできない分、再現性の高いカリキュラムが組まれていることが求められます。
請負までは、職人としての働き方。
厳密にはマーケティングは必要ありません。セールスで十分。
しかしコンテンツを作ったら、それを商品化して売ることができるようになります。
ここではじめて、本格的なマーケティングが必要になってきます。
FC展開
「3」の段階で、同業の間では注目される存在になります。
そうなると、「やり方を教えてほしい」「ノウハウを教えてほしい」と思う人が出てきます。
その人達に自分のノウハウをお伝えするのが、このフェーズ。
「FC展開」と書いてますが、必ずしもフランチャイズ展開を本格的にしなければいけないというわけではない。
ただ、自分のやり方・ノウハウを同業の方に学んでもらい、それが広がっていくさまはFC展開と同じです。
もちろん、ここから協会ビジネスにしたり、資格を発行したりしてFCビジネスを始めてもいい。
かなり難易度は高いですが、成功すればかなりの影響力を持てるようになります。
コンテンツを作り、パッケージを作り、マーケティングをして商品を売る。
これを繰り返してももちろん構わないわけです。
商品ラインアップを増やすとか切り口を変えるとか、売り方はいくらでもある。
ただ、より広汎に販売し、影響力を高めようと思ったら、FCつまりフランチャイズ化は有効な手段です。
商品を扱ってくれる代理店を募り、そこに卸して販売してもらう。
こうすることで、桁も変わるし影響力も段違いになります。
「3」の段階では、技術やノウハウをお伝えすればそれで事足りました。
しかし「4」まで来ると、FCつまり自分が創った商品パッケージをそのまま販売してもらう必要があります。
当然、その販売の仕方や顧客対応の仕方など、オペレーションも含めたパッケージにして売る必要があります。
事業を拡張するために最も必要なもの
コンテンツホルダーが事業を拡張するためのステップを紹介してきました。
自分の事業や商品が、いまどの段階にあるか。
これを把握しないまま、とにかくテクニックを学んだり集客・マーケティングに血道を上げても、成果はなかなか上がりません。
どの段階にあり、今必要なのはなにか。
見極めて販売していただければなと思います。
誤解を恐れずに言えば、ほとんどの方がフェーズ1でとどまっています。
べつにそれが悪いわけではなく、そこで職人的に名を成していく・業績を上げていく方法だってあります。
拡張することだけが正義なわけじゃない。
ただ、労働集約的な働き方を避けたい、影響力を拡げたいということであれば、上記のステップを踏むのが確実です。
その際に必要なものはなにか。
志、とか、ビジョン、と言えばきれいなんでしょうけど、別にそれは関係ありません。
必要なのは
再現性あるコンテンツ
です。
これがないと、他者に広めることはできません。
コンテンツを作ってパッケージ化する=商品を創ることであり、商品を創らないということはあくまで手数料ビジネス・賃仕事にとどまります。表現が良くないかもしれませんが。
事業として拡張するためには、持っているノウハウをコンテンツ化し、商品を創る。
それを忘れないでいていただけたらなと思います。
オンライン集客のコツを動画でお伝えしています。
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ビジネス・プロデューサー
ビジネス書作家
大阪大学を卒業後、高校の歴史教師に。その後コンサルタントとして独立。
コンサルタントやセミナー講師、士業やセラピスト、スクール運営者など、専門的な知識や技術を顧客に提供する事業者のサポートを一貫して行い、200名以上のコンサルティング、セミナー開催300回・1000名参加の実績を持つ。なかでもコンテンツを用いた連続講座・スクールの開催サポートを得意とし、サポートした顧客は高額講座が一週間で満席・顧客増、出版・TV出演などの成果を挙げている。
自身でも連続講座を複数回開催し、中長期的に成長するビジネスモデルを構築している。