大中尚一です。
独立して、コンサルタントとして活動する人が増えました。
ただ、基本的なことをおさえていない・準備していなくて、独立してから苦労する人もたくさんいます。
このコラムでは、コンサルタントして独立起業し、活躍していくための処方箋をお伝えします。
コンサルタントとして企業・起業家のサポートを行い、コンサルタントの業績向上の支援も行っている筆者が、「コンサルタントとして独立して食えるようになるためのポイント」をご紹介しています
基礎/基本的な内容ですので、誰にでも理解しやすくなっていますので、読んでみてください。
コンサルタント起業の現状
コンサルタントとして起業し活動する人が増えてきました。
僕自身もコンサルタントして活動もしてきましたし、数多くの優れたコンサルタントの方と付き合わせていただき、その活動を間近にも観てきました。
順調に業績を伸ばし、活躍されている方もいますが、一方で、いまいち成果を出し切れていないコンサルタントの方々も大勢います。
コンサルタントという存在が当たり前に認知されるようになってきて絶対数も増えていますが、なかなか業績を伸ばせず苦しんでいる方の絶対数も比例して多くなってきています。
コンサルタントの数が増えてきて、シェア争いが激しくなったから、と思うかもしれませんが、僕はそうは思いません。
コンサルタントとして独立起業してやっていくための基本を抑えていないことが根本にあると思っています。
現に、ものすごく努力してもなかなか業績が上がらない人もいれば、しっかり要点をおさえていて、スルスルと短期間で業績を上げる人もいます。
正しい基本・要点を押さえること。
それがコンサルタントとして独立起業して活躍していくための大事なポイントです。
コンサルタントとは
そもそも「コンサルタント」とは、どんな仕事でしょうか。
いろんな定義があって、どれが正解、ということもないと思いますが、僕は下記のように定義しています。
「言葉/コンテンツ/ノウハウを手段として 対象に何らかの変化をもたらす専門家」
情報を分析してもいいし、コンテンツを提供してもいい。
コーチング主体で、顧客に動いてもらうのでもいいですが、大事なのは
「変化を与える・もたらす」
ことです。
独立系コンサルタント・雇われコンサルタント
そのコンサルタントのうち、独立してやる方と、コンサルファームなどに所属してやる方に大別できます。
大きな違いは
独立系コンサルタントは、経験を基にしてサービスを提供し
雇われコンサルタントは、コンサルファームなどのコンテンツ・ノウハウを以て対象の課題を解決する
こと。
どちらが上、どちらがいい、というものではありませんが
独立系コンサルタントはオーナー経営者に信用されやすく
雇われコンサルタント(というかその母体であるコンサルファーム)は規模の大きい企業や安定した企業に受け入れられやすい
というのはあるかなと思います。
オーナー経営者はリスクをとってやっている方が多いので、同じようにリスクを取ってやっている独立系のコンサルタントのほうが、親和性があるんじゃないかなあと。
もちろん例外もありますし、一概には言えないところもありますが。
で、本稿でお伝えしていくのは、独立系コンサルタントのお話です。
ちなみに、「○○の資格をとった」「●●の講座・スクールを卒業した」からコンサルタントになれると思っている方がいますが、これはちょっと違います。
これは、コンサルタントではなく、インストラクターといえます。
この場合のインストラクターの定義は
「一定の技能を修めて、そのやり方通りのサービスを提供する人」
ぐらいに思ってもらえばいいです。
上述したようにコンサルタントの仕事は
顧客に変化を与えること
です。
どんなに良いスキルやノウハウを伝えても指導しても、顧客に変化を与え得られなければなんの意味もない。
当然、国家資格をとってもそれは同じです。
なので、何かの資格をとったから、技能を身に着けたからコンサルタント、というのはちょっと違うということを覚えておいていただきたいなと思います。
コンサル起業のメリデメリ
コンサルタントとして独立してやっていくとして、メリット・デメリットはどんなものがあるのか。
いろいろあるんですが、代表的なものをかいつまんでお伝えします。
メリット
・小資本で始められる
・在庫不要、利益率が高い
・定期的に一定額の収入が見込める
・経験を活かせる
・他の事業にも相乗効果を生みやすい
・多くの人に影響力を持ちやすい
・講演や研修などで、全国(場合によっては世界)で活躍できる
・コミュニティを作りやすい
・複業しやすい
けっこういろいろあります。
「小資本で始められる」「在庫不要、利益率が高い」「定期的に一定額の収入が見込める」なんかは、ホリエモンが起業する際の要素として述べてらっしゃることですね。
あと、「経験を活かせる」というより、経験を生かさないと独立コンサルタントしてはやっていけないと言い換えてもいいかなと思います。
他に挙げたものは、コンサルビジネスを拡張する上で役立つメリットです。
最初からいきなり、というのは難しいですが、頭に入れておいていただくと、後々役に立つかなと思います。
これらのメリットに惹かれてあるいは憧れて、コンサルタントとして独立してやっていきたいという方は多いです。
ただ、デメリットの方はあまり意識されていない方が多い印象です。
デメリット
・参入障壁低く、競合多い
・基本、労働集約
・形がない、わかりにくい
・「絶対必要なもの」ではない
・小手先で通用してしまうことがある(ごく短期間)
・先生型コンサルは不要になってきている(ほとんどの情報がただで手に入る)
・個人の力量に左右される
どれも特段解説の必要はないかと思いますが、コンサルタントとして独立起業する方が見落としがちな点でもあります。
こういうデメリットがあることを踏まえて、コンサルタントとしての起業を考えることをおすすめします。
コンサル起業をとりまく現状
帝国データバンクの調査では
①2014年 5年で企業数1.9倍
②2018年 経営コンサルタント活用企業 5年で3.7倍
という、割と明るいニュースがあります。
コロナの影響でこれも変わっていくとは思いますが、コンサルタントを活用するのに抵抗がなくなってきた証左と言えるのではないかなと思います。
その点は、コンサルタントとして起業する事を考える上ではプラスになるかなと。
ただ、企業数が増えたのは、小規模・個人企業が増えたからというのははっきりしています。一人法人が増えましたね。
あと②については、コンサルタントが浸透してきた結果だと思いますが、長期にわたって安定的に継続受注しているかどうかは別問題です。
実際、後継者不在の企業が120万社あるとされていて、つまりはそれだけコンサルタントに依頼する可能性がある見込み客は減る方向にあります。
その他、コンサルタントとして起業する上では、下記のトレンドがあることは念頭に置くことをおすすめします。
・動画コンテンツなどによる一級品の無料化・陳腐化が早い
・低価格のクラウドサービスなどによる価格下落圧力
・テック化による作業仕事の激減
・高度化 例.コーチングやコンサルが「できてあたりまえ」
・プレーヤーの増加(独立起業を目指す若者/シニアの増加、ギグ・エコノミーの進展)
ざっくりいうと
・生涯勉強し続けないといけないし、スキル習得サイクルが早くなっている
・求められるスキルが高度化している(作業とかただのノウハウは通用しない)
・差別化が必須
というのが、コンサルタントとして起業するうえでの現状だと思っていただいていいかなと思います。
独立系コンサルタントがハマりやすい罠
コンサルタントとして独立してやっていくのは、やりがいがあります。
ダイレクトにお客様に関わり、成功・成長のサポートをできることって、なかなかない経験ですからね。
やりようによっては影響力を拡めることもできますし、経験を活かせるという特性もあって、起業の選択肢としては悪くないんじゃないかなと思います。
・・・が。
当然、みんながみんな、うまくいくわけじゃない。
とくに年商で800万行くか行かないかのうちは、下記のような問題を抱えている人が多いです。
① 客単価が低い
② 売上が安定しない、コントロールできにくい
③ 下請け仕事が多い、忙しい割には儲からない
④ 営業に苦手意識があって、顧客数が安定しない
⑤ 集客の仕組みがない
⑥ 契約更新してもらえるか不安
コンサルタントだけではなく、専門家として起業する人は多かれ少なかれ持つ問題ですね。
これらの問題をクリアしないと、天井は決まってしまいます。
いろんな対処方法がありますが、シンプルなのは
顧客像の明確化
自分が何者かの明確化
はしておくほうがいい。
これでだいぶ違ってきます。
のちほどこのあたりもお話します。
コンサルタントとして起業するための準備
在庫なし・少資本・利益率高い。
という、理想的な条件が揃っているコンサルタント起業。
その手軽さから、準備不足のままなんとなく始める方もいます。
少なくともこれくらいの準備はしておかないと、早晩、確実にいき詰まります。
コンサルタント起業の準備 行動編
在庫なしで小資本でできるということもあって、知識・ノウハウだけは準備してもそれ以外は疎かなまま独立起業する人がわりといます。
…僕みたいに(苦笑)。
あとでだいたい後悔するので、少なくとも下記は準備することをお勧めします。
生活費
人のつながり
オフィス
お客様
その他
一つづつ解説します。
生活費
あたりまえと思われるかもしれませんが、これを甘く見積もっている人が多いです。
ある程度契約をとってから独立するのならともかく、そうでないのであれば少なくとも半年分の生活費+アルファは確保してから独立しましょう。
すぐに契約が取れることはありませんので。
プラスαというのは、経費です。
交通費からオフィス代から各種の備品代、交際費。
多めに見積もって準備しておかないと、目減りする貯金残額の恐怖を味わうことになります。
人のつながり
Webで完結させるのであれば別ですが、そうでなければお仕事はだいたい人から来ます。
相談できたり切磋琢磨できる人・場所は持っておくほうが無難です。
だからといって、「人脈を作ろう!」とばかりにいろんな会に参加したりするのはあまりおすすめしません。
それでうまくいく人もないではないですが、十中八九疲弊して時間と労力・お金を無駄にします。
やめておいたほうが無難です。
お客様
できれば完全独立前に顧客を確保し、コンサルティングなどを始めておきましょう。
独立前に、「独立するんです」と言ったら、だいたい「応援するよ」といってもらえます。
その言葉を当てにして、独立してから営業に行く方が多いですが、「応援するよ」は、文字通り「応援する」だけです。契約してくれるわけではありません。
お客さんになってくれるはず、は、九割九分外れます。
あてが外れて、あわてて顧客をみつけに動いても、すぐに成約にはならないので気持ちばかり焦ることになります。
独立前に、仕事は確保しておくことをおすすめします。
あと、円満退職は必須です。
統計をとってるわけでもなく、僕の感覚値でしかないですが、退職の円満度=独立後のスムーズさにつながるように思います。
円満に退職すれば、前職との提携なんかも視野に入れられますし、そうご紹介も起こったりします。
飛び出すように退職するのはやめましょう。
名刺やHP
名詞・HPなどは、独立時点であるのがベターです。できれば準備しておきましょう。
独立してから作ると、「できてから本格的に動こう」とか自分への謎の甘えでがでます。
簡単なものでいいので、独立前から準備しておき、すぐに動けるようにしておきましょう。
ただし、手作りはおすすめしません。
安っぽく見えて、人のつながり・お客様ともにいい結果をもたらしません。
要注意です。
コンサルタント起業の準備 言語化編
続いて、言語化編。
この言語化を最低限やっていないと
「で、何やってる人なの?」
と言われて、下請け扱いされていくのがおちです。
時間をとって言葉にしておきましょう。
①顧客は誰か
いわゆる顧客像です。
コンサルタントとして誰を救いたいか
と言い換えてもいいですが、使命感をもってコンサルティングを提供したい方はどんな方なのか、定義しておきましょう。
②もたらす価値はなにか
救いたい方に、どんな価値を与えることができるのか。
コンサルタントは、言葉・持っているコンテンツで顧客に変化を与える仕事です。
「コンサルティングを提供します」だと、顧客はあなたが何をしてくれる人なのかわかりません。
「こんな変化を与えられます」と、価値を明らかにしておきたいところです。
③なんの専門家と目されたいか
「②」に関連しますが、あなたはどんな変化を与えてくれる人と思われたいかを明確にしておきましょう。
売上を上げてくれる人なのか、採用を手伝ってくれる人なのか、財務を改善してくれる人なのか。
うまくいっている人は、ここがとてもわかり易い人です。
④商品はなにか
これも②と関連します。
「コンサルティング」は、商品ではありません。商品を提供する手段の一つにすぎません。
コンサルタントが提供するからコンサルティングではないんですね。
経験と実績を棚卸しして、あなたがどんな変化を顧客に与えることができるか。
それがイコール商品(コンテンツ)となります。
ここを勘違いしていると、いつまでたっても顧客獲得に再現性をもたせられず、苦労することになります。
⑤どの領域で勝負するか
大人数向けの研修やビジネスセミナーを主戦場にするのか、1対1のコンサルティングを提供することを主とするのか。
期間の長短は
金額は
予め、決めておきましょう。
「顧客次第です」と、顧客にボールを投げてしまうと、下請け一直線です。
手を抜かないようにしましょう。
資本不要で在庫もいらないコンサルティングビジネス。
それだけに、とくに言葉を磨くことには力を入れておかないと、選ばれる存在になれません。
じっくり時間をとって準備しましょう。
コンサル起業あるある
コンサルタントとしての起業は
在庫なし・少資本・利益率高い。
経験をもとにして起業できる
などの好条件が揃っているためか、ろくに準備をしないで起業する人がわりといます。
そしてその考えが抜けなくて、いつまでたっても貧乏暇なし状態から抜けられなかったりします。
そんな状態に陥らないために、どんな勘違いをしやすいか、どんな失敗をしがちかをお伝えします。
ちなみに、あらかじめお伝えしておくと、一人の方がどれか一つのパターンということはあまりありません。
だいたい複数のパターンに陥って、ドツボにはまっていく方が多いな〜、という印象ですね。
ノウハウがあればうまくいくはず起業
コンサルタント・コンサルビジネスをやろうとする人は、総じて勉強好きですね。
なので、ノウハウを学んだりスキルを身につけたりするのは大好き。
言われなくてもいくらでも勉強します。
ただ、それだと仕事はとれません。
契約取るのも無理ですよね。
だって営業しないもの。
いくらノウハウを身につけても、マーケティングの仕組みを作らず、営業もしなければ、顧客が増えません。
顧客がいなければ、ノウハウもスキルも活かしどころがない。
宝の持ち腐れです。
ノウハウよりもまず大事なのは、営業。
なので、まずは顧客を増やす算段をしたり、営業やマーケティングの仕組みを作ることを優先しましょう。
ノウハウは、仕事してれば嫌でも身につきます。
「資格さえあればなんとかなる起業」
士業さんが典型で
「◯◯士の資格を取ったから、仕事が取れる!」
と張り切って独立、というパターン。
あと、整体やエステで言うと「ディプロマを取ったから大丈夫」と思ったり
いわゆる高額講座に行ってスキルを学んで
「このスキルさえあれば仕事できる」
と思ったりというのも、このパターンに入ります。
このパターンはだいたい
はりきって起業したものの
思ったよりも、というかまったくお客様が増えず
どんどん預金通帳の残高が減っていき、不安な夜にさいなまれる・・・
という事態に陥ります。
そこからの姿勢で大きく変わるのは他のどのパターンでもそうですが
このパターンの場合は、さらに勉強して資格を取る・スキルを学ぶ方向に行く人が多く
ドツボのスパイラルに陥ってしまうことも往々にしてあります。
勉強熱心な人が陥りやすいパターンといえるかなと思います。
思い込み逃避起業
「この組織では力を発揮できない」
「ここは、自分を正当に評価してくれない」
「この組織はダメだ」
こういう想いが高じて
「自分はもっと活躍できるはず」
「自由にやれれば、もっとクリエイティブなことができるはず」
「いっそ、自分でやろう」
と独立するパターンです。
組織の中で不遇(と思いこんでいる)方に多い独立起業のタイプです。
これ、完全に「思い込み」です。
こういうタイプは自分に自信がある人が多いですが
本当に優秀なら、組織を良い方向に変えることもできますし、組織内でも正当に評価されるものだと思います。(その組織が健全に機能しているという前提の話ですが)
なので、組織を変えることもできず、ただ自分の不遇(という思い込み)を嘆いているだけの人が独立しても、うまくいくことはありません。
なぜかというと
・自分の力を正確・客観的に分析できていない
・考え方が他責で、ベクトルが自分の不満に向いている
・現実逃避の傾向がある
・自由にやる = クリエイティブなことができると勘違いしている
からです。
恥ずかしながら昔の僕もそうでした。
だから独立当初は、相当苦労しました。
まあ、自分が悪いんですが・・・
このパターンの方は
考えを改めない限り、また会社員に逆戻りしたり、いつまでたっても鳴かず飛ばずのまま終わる結果となります。
「あの人みたいになりたい!」憧れ起業
読んで字のごとく、です。
憧れている人がいて、その人みたいになりたいと考える。
まではいいんですが
形から入ろうとして、似たような業種で独立起業してしまうパターンです。
まず、中身・スキル・経験が伴っていないので、つまづきます。
それでもそこで奮起して努力して成果を出すことももちろんできます。
できるんですが、一つ問題が。
その起業スタイルが本当に自分にあっているかどうか。
合っていないと、これまた相当苦労します。
たとえば、憧れている人が営業がうまくてセミナーも上手。
それでうまくいっている。
でも自分は、あまり営業は得意じゃないし、人前で話した経験も少ない。
だからこそその方に憧れたといえますが
タイプが違うので、成功の方程式もまた違います
なので、かなり腹くくらないと、憧れの方と「同じパターン」で成功をおさめるのは、きわめて難しいと言えます。
大丈夫なんとかなる起業
まだまだいきます。
これ、じつは枕詞がついてまして・・・
正確には
(準備は足りないけど自分なら)大丈夫なんとかなる起業
といいます。
準備にかける手間を惜しみ
「自分だったら大丈夫」という根拠のない自信を持って
思い切って(というか無謀にも)起業するパターンです。
実績をともなった思い切りならまだいいんですが
こういう方は、実績もないのに「自分なら大丈夫」と思いこんでいる場合が多い。
根拠を問うてみると
「本に書いてあったから」とか
「起業セミナーでアイデアを褒めてもらえたから」とか
「願えば叶うから」
とかいう人もけっこういます。
自分の頭の中だけで成功のイメージができてしまってるパターンですね。
イメージングするというのはたしかに大切ですが
それを現実化するには、行動が伴う必要があります。
その行動をより良いものにするには
しっかりした準備が必要なのは言うまでもありません。
言うまでもないんですが・・・
「こうしたい」と思いこむと
そういった慎重論は、どこかに行ってしまいますね^^;
あの人がお客になってくれるはず起業
独立前に取引先とかに
「独立したらお客になってくれるか」をそれとなく尋ねると
「応援するよ」
と言ってもらえたので、確度の高い見込み客にカウントしてしまう場合があります。
・・・これは、ほとんどの場合あてが外れます。
実際に独立して挨拶に行ってみたら
「(うちは頼めないけど)応援(は)するよ。がんばって」
というのが大体のパターン。
あてが外れてがっかり。
さあ、売上をどうしよう・・・
こんな感じが多いです。
見栄っ張り起業
事務所を立派なところに構える
やたら立派なパンフレットを作る
何ページもあるサイトを作る・・・
中身が伴っていないのに外見だけ飾り立てて
「活躍してます」
と見せるパターンです。
これまで聞いた中で悪い意味で一番インパクトがあったのは
タワーマンションの一室に事務所を構えて
「タワーマンションに事務所があるコンサルタント」
と売り出したというパターン。
結局、キャッシュが続かなくて出たらしいですが・・・
お客様の成果には何の成果も関係ないところに力を使って、コケるパターンです。
ほかにも
「俺はあの会社出身だから偉いぞ起業(=武士の商法起業)」
「船頭多くして船山に登る起業」
「計画バッチリ あれこんなはずは起業」
「自由になったつもりが、あれ上司が顧客に変わっただけ?起業」
とかもあります。
・・・全部読んで字のごとくですね^^;
あと、コンサル起業でよくある勘違いとして
・インストラクター = コンサルタントだと思っている
・教えること・情報提供がコンサルタントの仕事だと思っている
とかですかね。
これだとなかなか契約が長続きしなかったり、単価が上がらなかったりします。
気をつけてほしいポイントです。
起業する前にこれらのパターンにはまらないように気をつけるのはもちろん
もしもう起業していても、けっしてこれら
「あるある」
パターンにははまらないようにしていただければな〜、と思います。
独立系コンサルタントとしてうまくいく/いかないのはこんな人
独立してコンサルタントとしてやっていくのに、「こんな人はうまくいく」「うまくいかない」というパターンがいくつかあります。
コンサルタントだけではなく、士業、講師や保険営業・セラピストなど、コンサルティングの要素が必要とされる方には共通した要素です。
うまくいかないのはこんな人
◆勉強依存
コンサルタントや士業など、言葉を武器にして仕事をしようとする人は総じて
資格・知識・ノウハウ
を過大に評価する傾向があります。
よくある勘違いに
・勉強したらコンサルタントになれると思っている
・資格を過大に評価している
・能力・知識があれば大丈夫と思っている
というものがあります。
そして、これらの傾向がある人が大きな成果を出していることはありません。
勉強して知識やノウハウを得ることに依存してしまっているんですね。
必要な業務知識を身につけること、契約を受注しお客様の成果に貢献する方法を身につけることはとても大事です。
が、資格や知識、ノウハウを増やせば増やすほど、成約率が増し、顧客の成果に貢献できるわけではありません。
まず見込み客の信頼を得て受注すること
受注したら、死ぬ気で成果を出すこと。
そのために必要な情報はその都度得ること。
まずは、このサイクルから始めないと、いつまでたっても勉強で終わります。
◆コミュニケーションが苦手
これは、コンサルタントというより、資格系の方に多いですかね。
人とのコミュニケーションに苦手意識を持っていて、営業にも苦手意識をもっている。というか営業=売りつけるという図式になっていて、罪悪感すら感じている人もけっこういます。
Webで完結する仕事であればいいんですが、コンサル系のお仕事は最終的には直接のコミュニケーションを取る必要があります。基本的に、弱みの克服よりも強みを伸ばすほうが効率的ですが、こればっかりは克服する必要ありだと思います。
◆独立前後の準備不足
コンサルタントとして起業する際の準備についてお伝えしましたが、。このあたりが疎かになっていて、見切り発車で独立する人がいます。
まあ、僕もそうだったのでえらそうには言えないんですが・・・
例えば
・在庫がいらないからと行ってキャッシュフローの見積もりが甘い
・前職の辞め方が悪い
・独立が目的になってしまっている
このあたりは解消しておかないと、致命傷になります。
事前にしっかり準備しておきましょう。
◆コンサルタントと起業家の違いを理解していない
世の中には、起業や副業で成功する方法論が溢れています。
基本的にはどれも活用次第で役に立つものばかりなので、熱心に取り入れるのはいいんですが・・・
その情報が
・起業家として成功するためのものなのか
・起業家や経営者を支える側の専門家として成功するためのものなのか
を分けて取り入れるようにしないと、遠回りになります。
どちらが上、ということもちろんありませんが、コンサルタントとして成功したいのに、支える側の起業家として成功方法ばかりを仕入れてもあまり意味はありません。
もちろん、起業家の考え方を知るという意味ではやっておいたほうがいいんですが、肝心なのは、「ではその考え方をする起業家をどうやってサポートするか」の方。
ここを区別できずに、中途半端な立ち位置になってしまうと、けっこうしんどくなります。
コンサルタント・専門家としてサポートする側に立つのか
起業家として、コンサルティングや専門知識を活かすのか
そのスタンスははっきりしておいたほうが、無駄がありません。
◆鵜呑みにする
世の中には、いろんなメソッドがあります。
すべて何らかの役には立つと思いますが、8割以上が
その人だからできたもの
であり、普遍性があるわけではないのも、悲しいかな厳然たる事実です。
そのメソッドで成功した人と同じタイプだったり背景が似ていればそのまま使えるかもしれませんが、あくまで参考程度にしておくことをお勧めします。
次は、うまくいく人のパターン。
うまくいくのはこんな人
打席に立つ
一つ目は、「打席に立つ」。「実践する」と言い換えてもいいですね。
まず、やってみる。
うまくいったら、磨きをかける。
うまくいかなかったら、修正してまたやる。
そうして、うまくいく率を上げていく。
やらなかったら、打席に立ってバットを振らなかったら、いつまでたってもノーヒットのままです。
うまくいってる人は、うまくいくようになるまで、打席に立ち続けている人です。
◆得意分野・専門分野を持っている
うまく言ってる人は
「◯◯ならこの人」
と認知されています。
集客ならこの人
セールスならこの人
チームビルディングならこの人・・・
得意な分野・専門として認知されているものをもっていますね。
誤解していただきたくないのは、なにも日本一である必要はないということ。
あなたの交流範囲内で
「◯◯といえばあなた」
と思われれば、仕事の依頼はあります。
たとえば定期的に開かれる勉強会や交流会で
「中小企業の税理士といえば◯◯さんだよね」
と思われていれば、相談や依頼は来ます。
一方であまりうまく行っていない人は
「あれもやります。これもやります」
となんでもできるアピールをする人。
名刺にも、いっぱい業務が書いてあったりします。
気持ちは分かるんですけどね・・・
うまくいっている人は
強み(と思われている分野)に集中できる
そしてそれ以外をあえて捨てる勇気を持つ人
ともいえます。
◆聞く姿勢を持っている
3つめは、「聞く姿勢」です。
これは誤解されやすい項目かもしれませんが
カウンセラーのように、なんでもかんでもじっくり聞く、というわけではありません。
そうではなく
「コミュニケーションがとれる、うまい」
ということです。
うまく行ってない人の話を聞いていると
基本は「自分アピール」「売り込み」です。
自分の商品・サービスがいかにすぐれているか
どんな人と交流があるか
どんなことをやってきたか
自分「が」どういう人間かをアピールする人が多いですね。
うまくいっている人は、みんながみんなけっして社交的というわけでありません。
が、コミュニケーションは上手です。
話していて、相手の感情が「快」になるようなコミュニケーションが取れるともいえます。
だから
「この人の話をもっと聞きたい」
「教えて欲しい」
という気持ちになるんじゃないかなあと思います。
◆学ぶ習慣を持っている
これはわかりやすいですね。
うまくいく人は、「学ぶ」ことをあたりまえにされています。
ただ、いわゆる「勉強熱心」な人は注意した方がいいことがあります。
「学ぶ」と聞くとどうしても
本を読んだり
セミナーに出たり
学校に通ったり
と、学校の勉強の延長上で捉えがちです。
成功し、そして成功し続ける人で読書をしない人なんて皆無ですから、本は読んだほうがいいですが。
そうではなく
これまであったことがないタイプの人に会って話を聞く
旅に出る
芸術に触れる
日々の生活を大切にして思索を深める(禅的な考え方ですね)
これも立派な「学び」です。
スキルやノウハウを「身につける」ことに囚われず、自らを高め、深める。
その習慣を持っている方は、コンスタントに成果を上げてるなあと思います。
◆投資マインドを持っている
これも「学び」と同じです。
何かを身につけるためにお金を使うことだけが「投資」ではありません。
他者と比べるのではなく
自分の価値観に沿って
自分そして周囲を豊かに幸せにしてくれることやものに投資をする方は
なんか生き方が美しいです。
一方で、何かを得るために投資をすると考える人は
ちょっとギラギラしてますね。
まあ、それもいいんでしょうが^^;
一時的な成功ではなく
成功し続け、自分も含めた周囲も幸せにしている人は
投資にも「美しさ」が顕れているような気がします。
◆メンターがいる
これですねえ。難しいのは。
メンター=自分を導いてくれる、その指針を示してくれる人
と僕は思ってますが
この選び方で、ビジネスのみならず、人生の方向が決まります。
良し悪しではないし
損得でもなく
ただ、自分の価値観に沿って、どんな方に学びたいか。
それを決める必要があります。
特にメンターを選ぶ際に「損か得か」で決めてしまうと、あとが辛い。
ビジネスで大成功しているようにみえるメンターに師事して
でもじつは他の人を犠牲にして成功している人だったら・・・
目も当てられません。
自分が何を大切にしたいのか
そしてどうありたいのか
その判断基準を持った上でメンターを選ぶことをお勧めします。
◆スキル
コンサルタントとして、あるいはコンサルティングをビジネスに取り入れて事業をする上で必須のスキルがあります。
うまく言っている人は、基本的に身につけてますね。
身につけてないと自覚したら、学んでます。
放置している人はいないんじゃないかな。
前述した得意分野・専門分野とコミュニケーション能力に加えて
・コーチング・カウンセリングスキル
・ロジカル・シンキング、言語化能力
は必須です。
特にコーチングのスキルは、これからフリーランス・自営でやっていく人にとっては、「身につけたほうが良いスキル」ではなくて、「身につけてないと土俵にすら立てない」ものになります。
マストだと思っていただければ。
以上、うまくいかない人・いく人を分析してみました。
僕自身も「うまくいかない人」に当てはまることがあり、解消するのに苦労しました。もちろんいまでも万全ではないので、日々克服できるよう気をつけていますが。
独立する人はこれらを解消してから独立するほうが成果が出るのは早いですし、申している人はいまから早急に解消することをおすすめします。
最後に
「コンサルタントとして起業し食えるようになるためのポイント」を解説しました。
参入障壁がないに等しいコンサルタント業。
だからこそ余計に、しっかり準備をして臨まないと、「あれ?こんなはずでは・・・」となります。
万全の準備をしてから飛び込んでいただけたらなと思います。
オンライン集客のコツを動画でお伝えしています。
よかったらご覧ください。
↓ こちら ↓
大阪大学を卒業後、高校の歴史教師に。その後コンサルタントとして独立。
コンサルタントやセミナー講師、士業やセラピスト、スクール運営者など、専門的な知識や技術を提供する事業者のサポートを一貫して行い、200名以上のコンサルティング、セミナー開催300回・1000名参加、スクール事業のプロデュース20件以上などの実績を持つ。
サポートした顧客は高額講座が一週間で満席・顧客増、出版・TV出演などの成果を挙げている。
自身でも、培ってきた経験とライフワークである歴史の研究から得た知見を基に各種講座や講演を行うとともに、2020年8月、歴史からビジネスを紐解く『日本のしくじり史』を刊行。